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【家庭教師】担当講師を変更したい?変更する前にするべき対処法

担当講師を変える前に、できることがあります。

今回の記事では、家庭教師の担当を変えたいと考えている保護者の方に向けて、6年間アルバイトで家庭教師を経験した筆者がその対処法をご紹介します。

担当講師を変える前にできることや、変えると決まってからの対応方法を詳しく解説します。


講師から見た担当講師の選び方

まず、担当講師はどうやって決まるかご存知でしょうか?

家庭教師の派遣会社での流れを詳しく解説します。

生徒にどういう講師が良いかアンケートをとる

生徒にどういうタイプの講師と相性が良いかを確かめるために、事前にアンケートを取ります。

まず家庭教師の派遣センターに勤務する営業担当者がご自宅に訪問し、授業内容や教材の説明をした後、生徒にどんなタイプの講師から授業を受けたいかを質問します。

また生徒へのアンケート用紙があり、それには生徒の得意・苦手な科目、講師の性格、講師の性別、その他の授業への要望などの質問項目があります。

それらの情報を派遣会社に伝えます。

営業担当者は生徒や保護者の性格・好み・思考の癖も把握している

派遣会社の営業担当者は、訪問時に生徒や保護者を観察します

これは、それぞれの性格・好み・思考の癖を把握し、よりそのご家庭に合った担当講師を選択するためです。

営業担当者との会話では、現在の学力や授業への要望以外に

・今までどんな勉強法をしてきたか

・勉強で悩んでいることは何か

・好きなことや部活動について

を聞かれると思います。

なぜなら生徒の現状と性格を知るためです。

これはそれぞれの性格をあらかじめ把握しておくことで、担当講師を選びやすいだけでなく、実際に担当講師が授業する際にも役立つ情報だからです。

特に、勉強に対して生徒・保護者でどういう考えがあるのか(勉強熱心、または苦手意識がある)を確認するためでもあります。

また、生徒が何が好きなのかも必ず聞かれます

これは元担当講師だった筆者の推測ですが、授業中の何気ない会話で話題になるような要素や担当講師との共通点を探すためだと思われます。

例えば、担当講師と好きなアイドルが一緒、同じ部活だったなどの共通点があればそれだけ生徒とコミュニケーションが取りやすくなり、授業もより楽しく有意義なものになるからです。

営業担当者はこの点を把握し、生徒の性格や好みに関する情報を以下のように細かくメモします。

例えば、「生徒さんはおとなしい感じだが、自分の得意・不得意を理解していて、意見も言える」といった情報や、「好きなアイドルは○○で、妹さんも好きなようです。もし妹さんも一緒に授業するときはアイドルの話をしながら楽しく授業をしてあげてください」といったアドバイスも含まれます。

これらの情報を通じて担当講師は生徒の性格や好みを理解し、授業を効果的に行う方法を考えることができます。そして、生徒にとってより満足度の高い授業を提供することができるのです。

担当講師の選定、そして決定

派遣会社に登録されている家庭教師の中から、最適な人材を選び出すことが重要です。営業担当者が把握した契約先の情報を基に、新規案件として家庭教師に連絡がいきます。

新規案件の連絡を受けた家庭教師は、提供された情報を確認し、自分が担当できるかを検討します。担当することが決定すれば、担当講師としての業務が開始されます。

筆者の経験から言えば、営業担当者からの情報は非常に重要でした。生徒や保護者の方に関する細かい情報があれば、授業でのトラブルを最小限にできたからです。

生徒の好みや性格を知るだけでなく、避けるべき話題についての情報も含まれています。

例えば、「不登校で学校に行けていないため、学校関連の話題は避けてください。」という内容です。

担当講師がこれらの情報を知らなかった場合、生徒に不愉快な思いをさせる可能性があります。そのため、事前に生徒や保護者の方に関する情報を十分に把握することが重要なのです。

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【担当講師を変える前に】ハズレにしない授業とは

担当講師を変えた方がいいのではないか、そう思った方は一度立ち止まって次のトピックを読んでみてください。

もしかしたら、今の担当講師とすれ違いでトラブルになっているだけかもしれません。

以下のトピックを読んでから担当講師を変えるか判断してはどうでしょうか。

授業方針は担当講師に一任しない

家庭教師を雇う際に、大切なのは担当講師とのコミュニケーションです。

高い授業料を支払う以上、授業方針は生徒と保護者の方が一緒に考えるべきだからです。

担当講師が決めた授業方針が必ずしも生徒に合っているとは限りません。保護者の方が一緒に授業方針を確認し、生徒に合ったものを選ぶことが重要です。

授業方針はご家庭の事情や要望によって様々です。

担当講師と相談しながら最適な授業方針を決めましょう。

では、実際に担当講師とどういう内容を相談すれば良いかを説明します。

まずは、生徒が達成したい目標を担当講師と共有しましょう。

例えば、志望校合格や苦手分野の克服など、授業で取り組んでほしいことを伝えます。

次に、授業で扱ってほしい問題の難易度も伝えておくとよりスムーズに授業が進められます。

これにより、担当講師は生徒の実力を把握し、どの難易度までの問題を用意すれば良いか分かるため、十分な準備してから授業に臨むことができます。

家庭教師の授業は完全マンツーマンで生徒一人一人に合った授業ができるのが最大のメリットです。

そのメリットを最大限に活かすために、授業方針は生徒・保護者・担当講師で相談した上で最適な授業方針を決めていただければと思います。

保護者の方だけ、または担当講師だけ授業方針の舵を取るのはトラブルの元になります。

担当講師の中には独自の方針で授業を進める(なので、保護者の意見をなかなか受け入れない)こともありますが、それが生徒と保護者の方が納得のいく授業をするのは難しいです。

筆者の経験から、生徒が満足する授業であっても、保護者の方が納得していなければ問題が発生します。

例えば、授業の半分が雑談で終わってしまい、成績が伸びない。しかし、生徒は楽しんで前向きに授業に取り組んでいるような場合が挙げられます。

これでは高い授業料支払っている保護者の方にとっては不満が残ります。

担当講師もこの問題を理解しており、授業後に保護者への報告で説明し、納得してもらう努力をしています。授業が単に楽しいだけではなく、保護者の方と生徒が納得した方針で進めることが重要です。

目標や目的は親子で相談して決めておく

家庭教師を契約する前に、家庭教師を利用する目的や達成したい目標について親子で意見を一致させておきましょう

契約してから、「なんか授業が合わない」を避けるために非常に重要なことです。

まず、家庭教師をお願いする目的をはっきりさせましょう。

なぜなら、その目的を達成するのにふさわしい家庭教師を紹介してもらえるからです。

目的とは、例えば以下のようなものがあります。

・学校の授業についていけないから、それを補えるようにしたい

・志望校に合格するために入試に特化した対策をしたい

・勉強が嫌いで全く自習ができないので勉強の習慣づけをしたい

上記のような目的を明確にしないまま家庭教師を契約してしまうと、お子さんに合わない授業を受けることになり、時間とお金を無駄に消費してしまうことになります。

次に、達成したい目標を決めておきましょう。

例えば、お子さんが受験生なら志望校をどこにするか、といったことです。

特に志望校について親子でよく相談し、意見を一致させておくことが重要です。

お子さんの目指したい志望校と、保護者が進学してほしい志望校が違っていると、授業方針や扱う問題の難易度が合わない可能性があるからです。

担当講師としては非常にやりづらいのです。

本音は生徒であるお子さんの要望を一番叶えてあげたいところですが、授業料を保護者からいただいている以上、保護者の要望を無視することはできないからです。

つまり、達成したい目標が親子で一致しない場合、担当講師が十分な力を発揮できず保護者とお子さんを不幸にしてしまうかもしれないのです。

それを避けるためにも、家庭教師を雇う目的・達成したい目標について親子でよく話し合ってから家庭教師を契約することを強くおすすめします。

【お願い】保護者だけが知っている情報は担当講師にも伝えてください

担当講師に保護者しか知らないお子さんのためになる情報は積極的に伝えてください。

なぜなら、担当講師が授業だけでお子さんのことを知るのは困難だからです。

担当講師は、お子さんの授業への姿勢、勉強で困っていることなど、できる限り把握し授業で解決できることはないかを模索しています。

しかし授業でお子さんから積極的に「こうしてほしい」と要望を聞くことは難しく、本当に困っていることや、担当講師に相談したいことなどを十分に知ることは困難というのが担当講師の本音です。

この状況だと、担当講師はお子さんに合った授業をしている気になっていても、お子さんからしたら満足していない授業になっているかも知れません。

そこで、実践していただきたいのはお子さんの要望を保護者を通じて担当講師に伝えることです。

担当講師に直接要望を伝えることは、お子さんにとってはかなりハードルが高いことでしょう。

しかし、親である保護者になら伝えていることもあるのではないでしょうか。

その中で、担当講師に伝えたらもっと授業が良くなると考えられる相談内容については、是非担当講師に遠慮無く伝えるようにしてください。

また、お子さんからの相談がない場合でも保護者の目線から授業後のお子さんの様子を見て気になったことがあれば、担当講師にその旨を話しましょう。

担当講師もお子さんに合った授業をするように努めていますが、それが本当にお子さんに合っているのか十分に把握できないことも多いです。

なので、授業への要望はもちろん、「授業のこうゆうところが楽しかった」といった内容も伝えていただくと、担当講師も授業がしやすいだけでなく、その生徒だけに合った授業をすることができます。

担当講師を変えたくなったら取るべき対処法

担当講師を変えたいなら、すぐ行動することが大事です。

これまでお話しした授業の改善法を実践したけど、やっぱり担当講師を変えたいと考えておられるなら、以下の対処法を実践してみてください。

派遣会社に相談

まず初めに派遣会社に相談しましょう。

担当講師を変えてほしいといった要望はよくあることなので、派遣会社もすぐ対応してくれる場合が多いです。

また、相談内容の中で改善できるところがあれば、派遣会社から担当講師に指導をして状況がよくなることもあります。

担当講師を変えずに解決できそうなら、その方がお子さんにとっては良いことが多いです。

理由は新しい講師が担当になれば、一から関係性を築かないといけないですし、変えたからといって成績が上がるという保障がないからです。

派遣会社に相談した上で、本当に担当講師を変える必要があるのか検討してもらえたらと思います。

お子さん・保護者自身で改善できることはないかを今一度確認

担当講師を変える前に、お子さんや保護者自身に落ち度はなかったかを確認してください。

いくら優秀な家庭教師の授業を受けても、成績が上がらないお子さんはいます。

なぜなら、家庭教師の授業をお子さん自身で台無しにしてしまっていることがあるからです。

家庭教師の授業を受けていれば成績が上がるということはありません。

なので、授業後の復習と宿題をして初めて勉強したことになるからです。

・家庭教師の授業を受けた後、お子さんは担当講師から出された宿題に取り組んでいますか?

・授業前には前回の授業で学んだことを思い出せますか?

・授業で担当講師が勧めた勉強法や問題には取り組みましたか?そして、それについて担当講師からフィードバックをもらいましたか?

以上の質問に「はい」と答えられる方は以降の内容を飛ばして、最後のトピックを読んでください。

「いいえ」と答えた方は、お子さんが家庭教師の授業を受けただけになっている可能性があるので、以下を読み進めてください。

まず、上記の質問でもっとも大事なのは授業後の復習ができているか、です。

でもご安心ください。

復習といっても難しいことはなく、担当講師から出された宿題に取り組めば十分復習ができます。

もしお子さんが家庭教師の授業後、宿題に取り組めていないようなら、

それは保護者の方が復習や宿題を見てあげてください。

お子さんが一人でするのが難しいようなら、ぜひ一緒に取り組んであげてほしいです。

仮に復習や宿題ができていなくても、家庭教師の授業で前回の授業の復習することは可能です。

しかし、復習がきとんとできているお子さんとそうでないお子さんでは授業の進度が全く変わってきてしまいます

例えば、前回の授業で新しい単元を学習し、今回の授業で行う内容は次のように大きく変わってしまうからです。

宿題ができているお子さんは、前回の授業の復習として扱った単元の要点だけ確認し、そしてその単元に関連する応用問題を解いていきます。

宿題ができていないお子さんは、まず前回の授業で扱った単元の確認をし、そして単元の例題や基礎問題を解くことから始めます。

本来であれば、宿題で例題や基礎問題は宿題として出すことで復習を完了できるようにしています。

なので、次の授業ではさらに難易度の高い問題に取り組み、単元の内容への理解をさらに深めていくことができます。

しかし、宿題ができていないと復習ができないですし、次の授業でもう一度、前回と同じ内容の授業をすることになるので、非常に効率が悪くなってしまいます

よって、授業後は必ず宿題に取り組み、復習を完了させた状態で次の授業を受けるようにしましょう。

どうしても変える必要があれば、気にせず変えてもらいましょう!

ここまで、家庭教師の授業を無駄にしない方法や対処法を説明してきました。

それらを実践しても残念ながら効果がなかった、と感じられ、

やはり担当講師を変えたいとお考えならすぐ派遣会社に連絡して担当講師を変えてもらいましょう!

「担当講師を変えることになったら今の講師に申し訳ない」

という気持ちがあるのでしたら、元家庭教師からはっきり申し上げます。

そんなこと気にする必要、全くありません!!

お子さんにとってそれが最善の選択なら、迷わず担当講師の交代をお願いしましょう。

担当講師は交代になったとしても気にしません。

筆者も交代の経験がありますが、「あ、交代か~」ぐらいで全く気にしていませんでした。

プロの家庭教師と呼ばれる人でも、力が及ばないことはあります。

生徒との相性や、要望に応えることなど。

それは重々承知の上で授業をしていますので交代になっても気にしないですし、むしろ次に担当になる生徒に活かそうと思うものです。

担当講師も交代によって生徒であるお子さんが満足できるなら、それに超したことはないので、保護者の方は気になさらないでください。

それでも、「やっぱり今の担当講師に悪い気がして行動できない」という方は、

派遣会社にその旨を伝えて配慮してもらえないか相談しましょう。

もしくは本当の交代理由とは別の理由(嘘でも可)を担当講師に伝えてもらうようにお願いするのもいいかと思います。

例えば、本当の交代理由は「担当講師の授業に合わなかったから」だとしても、別の理由として「うちの子だと担当講師の授業についていけないから」としても大丈夫です。

一番に考えなければならないのは、担当講師の交代がお子さんにとってプラスになるかどうかです。

その点を十分考慮していただき、家庭教師を活用してもらえたら幸いです。


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